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【ネタバレ】映画「カリスマ」の顛末と”木”の正体とは?


黒澤清監督の「カリスマ」の顛末と木の正体を考察してみました。


籠城犯の説得に失敗し、犯人も人質も死なせてしまった藪池刑事は、“世界の法則を回復せよ”という、犯人が残した謎めいたメッセージに導かれるように、ある奇妙な森を訪れる。そこには強烈な毒素を周囲にまき散らす、“カリスマ”と呼ばれる1本の老木が生えていて、さまざまな人々がそれをめぐって対立を繰り広げていた。藪池は森の植物の研究をする美津子とその妹の千鶴、カリスマを守ろうとする青年・桐山らと知り合うが……。(公式サイトより引用)


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映画「カリスマ」作品情報、あらすじ、登場人物情報はこちら

※以降はネタバレを含みますので、本編を視聴した後で読むことをおススメします。

カリスマに対する登場人物たちの考え方

  • 薮池五郎(役所広司)
    ”カリスマ”を巡る抗争を一歩離れたところから見ながら、木と森の両方を助ける方法を考える。木と森のどちらかが大事ということではなく、木の1本1本の集まり、それが森であるという考え方
© 1999 日活・キングレコード・東京テアトル

  • 桐山直人(池内博之)
    自然は弱肉強食。例え森全体が枯れて一本の木だけが残ったとしても、それも自然の在りよう、「森(世界)の法則」だと考えている。
© 1999 日活・キングレコード・東京テアトル

  • 神保美津子(風吹ジュン)
    特別な1本の木よりも森全体の生態系を守ることが大事だと考えている。”カリスマ”と森の両方が生きる方法は無いと断言。森が死んでいく原因が”カリスマ”にあると考えており、池に毒をまき、森全体を一度殺すことで生態系を元に戻そうとしている。生きる力と殺す力は同じことだと藪池に教える。
© 1999 日活・キングレコード・東京テアトル

  • 神保千鶴洞口依子)
    美津子の妹。大事なのは森の外で、木も森もどうでもよいと考えている。
© 1999 日活・キングレコード・東京テアトル

  • 中曽根敏(大杉漣)
    自治体から依頼され、森が枯れていくことを止めにきた森林キーパー。集団で乗り込んで行き”カリスマ”を強制撤去しようとする。
© 1999 日活・キングレコード・東京テアトル

  • 坪井達夫(大鷹明良)
    市の環境保全課の職員。森が枯れるのを止めないと森の仕事から解放されないという理由で中曽根に保全を依頼する。

  • 猫島松重豊)
    ”カリスマ”に魅了され独り占めしようとする。
© 1999 日活・キングレコード・東京テアトル

※下ページからはネタバレを含みますので、本編を視聴した後で読むことをおススメします。

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”カリスマ”の顛末

猫島の登場で、物語が一気に物々しくなり、”カリスマ”の武力行使での奪い合いが勃発。銃撃戦の最中に突然現れた神保姉妹がカリスマを奪い、焼いてしまう。

© 1999 日活・キングレコード・東京テアトル

落胆する桐山、安堵する神保教授、オオワライタケで打ち上げをする中曽根・坪井。その様子を冷ややかに見ている猫島。そんな中、藪池が2本目の”カリスマ”を見つけたと桐山、神保教授に伝える。

後半、”カリスマ”が焼かれたことで、”カリスマ”を巡って争っていた人々の争いに決着が着いた…はずだったのだが、藪池が2本目の”カリスマ”があると言い出すことで、物語が更に混沌としていく。

2本目の”カリスマ”とは?

藪池が見つけてきた2本目の”カリスマ”はただの巨大な老木だった。藪池にとっては、その老木が真に”カリスマ”かどうかに意味は無くなっており、世話を始める。桐山は老木を”カリスマ”だとは認められず森を出る覚悟を決める。神保教授は老木が”カリスマ”ではないことを理解しているのに、執拗に2本目の”カリスマ”も破壊しようとこだわり、猫島は老木を新しい”カリスマ”として自分だけのものにしようとする。神保妹は混乱に乗じて猫島が持ってきた”カリスマ”の手付金1,000万円を持って逃走し、中曽根・坪井が追う。

エンディングの謎

”カリスマ”を爆破し、森を去る藪池。刑事部長と携帯で通話する目線の先には燃える街が見えるというエンディング。

木=個人、森=社会であるということで登場人物達の社会に対する個人の在り方が語られるが、
劇中に何度か出てくる「世界の法則を回復せよ」というのは、”カリスマ”により保たれていた社会秩序が、崩壊してしまったことを指すんだと思いました。
中曽根の部下たちが、”カリスマ”が燃えたことで殺人集団になってしまっていたこと、秩序の代表だった桐山を受け入れなかったこと、貨幣になびかなかったこともそういう事だと思います。

© 1999 日活・キングレコード・東京テアトル

視聴者の声

作品イメージ

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関連情報

カリスマ | 映画 | 日活
神秘的な森を舞台に、共生・共存という人間の倫理問題、人間が意識下で求める本物の自由の形をテーマに描いた人間ドラマ。

出典:公式サイト
© 1999 日活・キングレコード・東京テアトル

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