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監督はインディペンデント映画を作り続けてきた佐藤智也。突然起きた異変に揺れる心境、衝動の描かれ方が素晴らしい。砂漠に響き渡る、独裁者役・天本英世の演説は必聴。1995年公開/29分
監督・脚本 | 佐藤智也 | 「湖底の空」「舌 デッドリー・サイレンス」「L’Ilya イリヤ」 |
撮影 | 田中創 | 「Movie Box-ing ムービーボクシング」 |
照明 | 金丸直幸 | |
音楽 | 伊藤善之 |
一人の兵士が装甲服に身を包み、国境線を見張っている。といっても、緊迫した戦闘行為はここにはない。ただ国境線の向こうから敵国の指導者マレヒトの演説が電波にのって流れてくるだけ。兵士は任務としてそれを傍受している。狂信的な独裁者の言葉にうんざりしながら。宿舎に戻るとそこには一体の女性型アンドロイドがいる。政府からあてがわれた慰安用のものである。緑色の瞳以外、外見上奇異なところは何もないイリヤⅥ型のいる静かな暮らしと、国境の砂漠地帯での任務。それが兵士の生活のすべてだった。 ある日、軍の役人が宿舎を訪れる。軍の上層部に人事異動があり、方針が若干変更されたのだった。それはイリヤⅥ型のバージョンアップであり、役人はイリヤⅥ型の言語能力を改良して帰っていく。外見上は何も変化しなかったイリヤⅥ型。兵士の生活はそのまま続くはずだったが……。
※以降はネタバレを含みますので、本編を視聴した後で読むことをおススメします。
©マレヒト・プロ