「点」くたびれた大人の再会を山田孝之と中村ゆりが演じる濃密過ぎる26分

ショートショート形式のドラマ作品がみたいと思い調べていたら、Amazonプライムビデオに短編映画があったので、今回は『点』を見てみました。26分で完結するので未見の方は是非見て欲しい一本でした。

14年ぶりに再会した２人のギクシャクした様子がたまらないよ！

作品紹介

『点』は2017年に公開されたショートフィルム。監督・脚本は「愚行録」「蜜蜂と遠雷」の石川慶。出演は山田孝之、中村ゆり。

監督・脚本	石川慶	「ある男」「Arc アーク」「十年 Ten Years Japan」「愚行録」「蜜蜂と遠雷」
出演	山田孝之	「全裸監督」「ジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない」「テラフォーマーズ」
出演	中村ゆり	「星新一の不思議な不思議な短編ドラマ／生活維持省」「クロサギ」「居眠り磐音」

田舎町で床屋を営む理容師の高志（山田孝之）。夏のある日、幼馴染で高校時代の恋人・ともえ（中村ゆり）がやって来る。14年ぶりに再会した二人。あの頃と今が交錯して、会話はどこかぎこちない。「結婚式のためにうなじの毛を剃って」とお願いするともえ。高志は少し戸惑いながらも、ともえを店の中へ案内する。

短尺で説明台詞がほぼ無いにも拘らず、映像と演技で視聴者に2人の性格や過去の経緯、上手くいっていない現状といった奥行と、未来を想像させる、凄く濃密な26分だった。

※今回は明確に劇中では語られていない、個人的な解釈も含めた映画内容を記載しています。26分で完結するので、是非この先を読む前に、見ていただくことをおススメします。

ともえ（中村ゆり）
30代の独身女性。友人の結婚式のため久しぶりに地元に帰省した。カメラマンを目指し、地元を出たが上手くいかず、今はハウススタジオの受付をしている。実りのない恋愛をしており、寂しさも相まって、結婚式に着物で出席するために襟足のうぶ毛を剃って欲しいと理由をつけ、高校時代に付き合っていた高志が営む理髪店にやって来る。高志が家庭を築いていることに落胆したり、当時を懐かしんだり、高志の誤った記憶を訂正したりと、徐々にくだけてきたところに、不倫相手から無神経な連絡が来る。またも落胆するも、高志から優しい言葉をかけられ、学生時代に高志に大失敗された前髪のカットもお願いする。
….今回もカットは大失敗だったが、帰り道のともえの表情は明るい。

藤田高志（山田孝之）
ともえの幼馴染の同級生。夢破れ、親が亡くなった後、6年前に地元に戻り親の理髪店を継ぐ。結婚し子供もいるが、別居しているのか家庭は崩壊している模様。商売道具は丁寧に手入れされているが、自身は床屋にも関わらず無精髭を生やし、一人コンビニ弁当を食べていたりと生活はくたびれている。そんな中、突然現れたともえに困惑しつつも、お土産のバームクーヘンを一緒に食べたり、学生時代の話をしていく内に徐々に打ち解けていく。しかし、ともえの不倫相手との電話を聞いてしまい、店に頻繁に来る薄毛のお客さんの話をして和ませ、彼女の首筋のホクロが好きだったと褒める。ともえが帰った後、彼女の言葉を思い出し無精髭を剃ろうとする。