アニメ化するタイミングで、熱心なファンである友人から勧められたんだけど、見てよかった一本。
生い立ちも違う、繊細な少年たちだからこそ、それぞれに変えられない生きていくルールがあり、
お互いにぶつかったり、支えあったりしながら、過酷な抗争に立ち向かっていく姿にグッときた。それはキャラクターが魅力的で、それぞれにちゃんと背景があるからなのかな。
物語自体は「バナナフィッシュ」を巡って、NYを舞台に血なまぐさい抗争が行われていくんだけど、英二の日本人的な視点が入ることで、文化感ギャップのエッセンスもあってコメディタッチな青春物語としても楽しめる。
独特なバランスを保っているので、この作品は視聴者の性別に関係なく面白く見れるんじゃないかな。
最初は少女漫画なので、BL要素がある物語なのかと思ってたけど、少年たちの友情を超えた、
ほぼ共依存的なプラトニックで、恋愛を超えた魂の結びつきのような関係にまで昇華されてしまったので、もう途中から応援するしかなくなってたよ!
私には絶妙な湯加減でした。
キャラクターがみな、真っすぐ純粋なので優しく見守ってしまうんだろうな。
ファンアートが多いのも分かる!
作品紹介
原作は吉田秋生先生の人気コミックで、1985~1994年まで「別冊少女コミック」で連載。吉田秋生先生の40周年記念プロジェクトとして、初めてのアニメ化。
少女漫画といっても、ベトナム戦争後のニューヨークを舞台に、ストリートギャングやマフィアといったアウトローの抗争、スリリングな展開、独特の空気感とリアルな描写で、男性ファンも非常に多い。
ニューヨーク・ダウンタウンを舞台に、ストリートギャンググループのボスで最強美少年・アッシュと心優しい日本人青年・英二の二人が「バナナフィッシュ」の謎に迫る物語。
原作 | 吉田秋生 | 「櫻の園」「吉祥天女」「YASHA-夜叉-」「海街diary」 |
監督 | 内海紘子 | 「SK∞ エスケーエイト」「Free!」 |
脚本 | 瀬古浩司 | 「チェンソーマン」「スプリガン」「呪術廻戦」「ドロヘドロ」「亜人」 |
音楽 | 大沢伸一 | 「ニンジャスレイヤー フロム・アニメーション」 |
あらすじ
ニューヨーク。並外れて整った容姿と、卓越した戦闘力を持つ少年・アッシュ・リンクスは、17歳にしてストリートギャングをまとめ上げていた。
ある夜、アッシュは自身の手下によって銃撃された男からある住所とともに「バナナフィッシュ」という言葉を伝えられる。それは廃人同然の兄・グリフィンがしばしば口にする言葉だった。
時を同じくして、カメラマンのアシスタントとしてやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。
登場人物
- アッシュ・リンクス(内田雄馬)
ニューヨーク・ダウンタウンのストリートギャンググループのボス。金髪、緑の瞳の並外れて整った容姿とIQ180以上の頭脳、人種に関係なく人の上にたつ圧倒的なカリスマ性を持ち、運動神経も抜群。戦闘に関しても、射撃の腕は一流でナイフの扱いにも長けている。不幸で過酷な幼少期を過ごしたため、仲間は多いが常に孤独である。
自分が傷つけられることには慣れてしまい死すら恐れないが、自分の周囲の大切な人間が傷つけられることを異常に恐れている。特に英二に対しては危害が及ぶと周りが見えなくほど、大切にしている。
- 奥村 英二(野島健児)
伊部のカメラマン助手としてストリートキッズの取材をした際アッシュと知り合う。
アッシュが信頼し唯一心を許す人物。アッシュを理解しようとし友情を育むが、英二の無垢さがアッシュにとっての救いでもあり、弱点にもなっていく。日本の大学生で元棒高跳びの選手。
- マックス・ロボ(平田広明)
アッシュの兄グリフィンとは従軍時代の戦友で、グリフィンが錯乱した原因「バナナフィッシュ」を追うフリーのジャーナリスト。刑務所でアッシュと知り合い行動を共にする。アッシュからはオッサンと呼ばれ、父のように付き合う。離婚した妻との間に息子がいる。
- 伊部 俊一(川田紳司)
ストリートキッズの取材にニューヨークにやってきたカメラマン。マックスの友人。キッズグループに深く関わっていく英二を心配する。
- スキップ(村瀬歩)
アッシュを慕う少年。人柄の良さからアッシュや他のメンバーからも可愛がられているムードメーカー。オーサーとの抗争でアッシュを庇い撃たれる。
- アレックス(石谷春貴)
ニューヨークの不良少年でアッシュの片腕的存在。アッシュ不在時にはアレックスがチームをまとめ、アッシュをサポートする。
- ボーンズ(丹羽正人)
寝起きのアッシュにぶっ倒されたことがあり、前歯がない。 - コング(鷲見昂大)
ボーンズと行動を共にする巨漢の少年。
- ショーター・ウォン(古川慎)
少年刑務所時代からのアッシュの親友。中国系アメリカ人。気さくで英二に対しても対等に話す。
ニューヨークのチャイナタウンにある中国系ストリートキッズグループのボス。実家は中華料理店で、姉のマーディアが切り盛りしている。
- シン・スウ・リン(千葉翔也)
ショーター・ウォンを尊敬し、まだ少年ながら才気があり中国系ストリートキッズグループのリーダーを継ぐ。ショーターの身に起こった事の顛末を知るためにアッシュを追う。
- ラオ・イェン・タイ(斉藤 壮馬)
シンの異母兄で、シンの事をきにかけている。アッシュには不信感をもっている。
アフリカ系アメリカ人のグループ「ブラック・サバス」
- ケイン・ブラッド(三宅健太)
ニューヨーク・ハーレムのアフリカ系アメリカ人のキッズグループ「ブラック・サバス」のボスで「ブラッディ・ケイン」の異名を持つ。拠点に一人で乗り込んできたアッシュを気に入る。オーサーの卑怯なやり方を嫌いアッシュと共同戦線を張る。強面だが人情にも篤く男気がある。
- グリフィン・カーレンリース
アッシュの兄。アッシュとは年の離れた物静かな優しい兄だったが、従軍時に「バナナフィッシュ」のせいで錯乱し仲間達を皆殺しにする事件を起こす。現在は、廃人同然となっている。従軍時にマックスと出会い親友となる。
- ジェームズ・カーレンリース(星野充昭)
アッシュ、グリフィンの父親。
- 李月龍(福山潤)
李一族の末弟。整った顔立ち&長髪であるため、女性に間違えられることがあるほどの美男子。
「バナナフィッシュ」についてアッシュとは別の方向から核心に迫る。アッシュと英二に複雑な感情を抱いており、英二を目の敵にしている。
- 李王龍(江川央生)
李家長男にして、華僑を束ねる名門李家の総帥。表向きは銀行家。
- 李華龍(阪口周平)
李家の五男。ショーターを脅し、アッシュを追う。
- ディノ・ゴルツィネ(石塚運昇)
コルシカ・マフィアのボス。アッシュを少年時代から男娼として使っていたが魅入られ、自分の後を継がせようと英才教育を施す。アッシュに対しては愛憎入り混じった感情を抱き続けており執拗に彼を追う。
- フレデリック・オーサー(細谷佳正)
アッシュと同じストリートギャングの青年。過去にアッシュとの抗争に敗れ、利き手を傷つけられ銃器が使えなくなったため、アッシュに強い恨みをもっている。野心家でコルシカ・マフィアに出入りし、アッシュへの復讐の機会を常に伺っている。
- マービン・クロスビー(石塚堅)
ディノの部下。同性愛者。
- エイブラハム(林勇)
コルシカ・マフィアに所属する研究者。「バナナフィッシュ」に深く関わる。
- ブランカ(森川智之)
かつてアッシュに戦闘技術を教え込んだ師匠。カリブで隠居生活を送っていたが、ディノがアッシュを捕らえるために呼び戻される。
- フォックス
ディノに雇われたフランス傭兵部隊の隊長。同性愛志向を持つサディスト。社会的には死亡したことになっており、殺人狂の傭兵部隊を率いる。
- チャーリー・ディキンソン
真面目でお人好しな刑事。アカデミー時代からのマックスの友人。
視聴者の声
作品イメージ
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© 吉田秋生・小学館/Project BANANA FISH