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アニメ「火の鳥 異形編」タイムループに陥った若侍の終わりのない裁きと贖罪


長い間、多くの人々に愛され続けてきた手塚治虫の「火の鳥」には、わたしたちが深く考えるべき二つの大きなテーマが描かれています。 そのひとつは、「歴史」「宗教」「愛」「寿命」「生き様」といった人類に普遍的な「生」の問題です。もうひとつは、科学や文明の発達にともない提起され始めた、「環境」「遺伝子操作」「クローン技術」「ロボットと人間の関わり」という、わたしたち現代人が今まさに直面している、新しい問題なのです。50年も前に描き始められた作品にもかかわらず、「火の鳥」は21世紀を生きるわたしたちにとっても「人間とは、生命とは何か」を問い続けている物語です。

「火の鳥 異形編」作品紹介

2004年にNHKで放送された手塚治虫原作「火の鳥」のアニメ作品。

原作手塚治虫ブラック・ジャック」「どろろ」「メトロポリス」「安達が原
脚本杉井ギサブロー
演出大下久馬
演出水野健太郎

「火の鳥 異形編」あらすじ

時は、室町時代。左近介は領主の娘でありながら男として育てられた。非道の父の死を願う左近介は、病床の父を助けようとする八百比丘尼を斬った。しかし、その瞬間から時間の輪の中に閉じ込められ、寺を抜け出せなくなってしまう。やがて、左近介は自らが斬った八百比丘尼が未来の自分自身であることを知る。30年前に逆行した時の中、左近介は八百比丘尼として生き、寺を訪れる人から妖怪までありとあらゆる病苦を癒していく。しかしそれは、自分自身を殺しに来る左近介を待つ時間でもあった。©TEZUKA PRODUCTIONS・NHK・NEP


「火の鳥 異形編」原作情報

「火の鳥 異形編」は1981年にかけて「マンガ少年」で連載された。単行本13巻が該当。

登場人物

  • 左近介(浅野まゆみ
    武将である父から男性として厳しく育てられた、若侍の出で立ちをした娘。残虐非道な父を八百比丘尼の治療で治させないために八百比丘尼を蓬莱寺で斬るため蓬莱寺で斬るが、寺から出ることが出来ず、閉ざされた時空に囚われたことを知る。やがて、寺には病気で苦しむ者たちや、30年前に父が起こした戦で怪我を負った者たちが訪れ、左近介に治療を懇願するのだった。 左近介は寺に隠されていた火の鳥の羽を使い、人々の病を治していく。そして彼女の元には、魑魅魍魎までもが、治療を求めて訪れるようになる。魑魅魍魎たちを恐れずに治療する左近介。そんなある日、彼女の夢に火の鳥が現れ、恐ろしい運命を告げる。
©TEZUKA PRODUCTIONS・NHK・NEP

  • 八百比丘尼(久保田民絵
    800年を生きながらえていると言われる比丘尼。病人、怪我人を治すと評判だったが、八木家正の治療を恐れた左近介に斬り殺される。
©TEZUKA PRODUCTIONS・NHK・NEP

  • 可平(島田敏)
    左近介が子供の頃から付き従う忠実な従者。左近介と共に時空の歪みに閉じ込められる。
©TEZUKA PRODUCTIONS・NHK・NEP

  • 八木 家正(小村哲生)
    左近介の父親。天下を狙う残虐非道な武将。悪性の鼻の病のため伏せっており、八百比丘尼の噂を聞き、呼びつける。
©TEZUKA PRODUCTIONS・NHK・NEP

  • 塙 陣太(岸野一彦)
    八木家正の使いとして蓬莱寺を訪れ、八百比丘尼に主君の治療を依頼する。
©TEZUKA PRODUCTIONS・NHK・NEP

  • 火の鳥(竹下景子)
    自分自身が八百比丘尼であると気づいた左近介の前に現れ、殺人を犯した左近介には未来永劫、裁きを受ける必要があると語る。

  • ナレーション(久米明)

主題歌

エンディングテーマは、中島美嘉の「火の鳥」。

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