「マレヒト」戦争のない国境線を守る警備兵が抱える性と政治の圧迫感を描いたSFドラマ

映画「マレヒト」イメージ ショートフィルム
2023.07.03
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作品紹介

監督はインディペンデント映画を作り続けてきた佐藤智也。突然起きた異変に揺れる心境、衝動の描かれ方が素晴らしい。砂漠に響き渡る、独裁者役・天本英世の演説は必聴。1995年公開/29分

監督・脚本佐藤智也「湖底の空」「舌　デッドリー・サイレンス」「L’Ilya　イリヤ」
撮影田中創「Movie Box-ing　ムービーボクシング」
照明金丸直幸
音楽伊藤善之

あらすじ

一人の兵士が装甲服に身を包み、国境線を見張っている。といっても、緊迫した戦闘行為はここにはない。ただ国境線の向こうから敵国の指導者マレヒトの演説が電波にのって流れてくるだけ。兵士は任務としてそれを傍受している。狂信的な独裁者の言葉にうんざりしながら。宿舎に戻るとそこには一体の女性型アンドロイドがいる。政府からあてがわれた慰安用のものである。緑色の瞳以外、外見上奇異なところは何もないイリヤⅥ型のいる静かな暮らしと、国境の砂漠地帯での任務。それが兵士の生活のすべてだった。 ある日、軍の役人が宿舎を訪れる。軍の上層部に人事異動があり、方針が若干変更されたのだった。それはイリヤⅥ型のバージョンアップであり、役人はイリヤⅥ型の言語能力を改良して帰っていく。外見上は何も変化しなかったイリヤⅥ型。兵士の生活はそのまま続くはずだったが……。

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※以降はネタバレを含みますので、本編を視聴した後で読むことをおススメします。

登場人物

  • 国境警備兵（浪花天閣）
    マレヒトとの国境警備とマレヒトの放送演説を録音する仕事に一人就いている。バージョンアップ後のイリヤⅥ型の反応にウンザリし、軍事局にバージョンダウンを打診する。
映画「マレヒト」国境警備兵（浪花天閣）
©マレヒト・プロ
  • イリヤⅥ型（三谷由美）
    政府から兵士に支給された慰安用セクサロイド。兵士と宿舎で2人暮らをしている。バージョンアップによって言語能力が大幅に改善。バージョンアップ後はマレヒトの放送に対して明確に否定しようとしない曖昧な兵士の態度を窘めるようになる。
映画「マレヒト」イリヤⅥ型（三谷由美）
©マレヒト・プロ
  • 軍事局の役人（満田幸一郎）
    イリヤⅥ型のバージョンアップのため訪れる。人事異動で軍事局の女性長官が配属兵役環境の改善を公約に掲げているので兵役の待遇が良くなると兵士に伝える。
  • マレヒトの声（天本英世）
    敵国の指導者

視聴者の声

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©マレヒト・プロ

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