2003年当時はロードバイクの認知が低い中、スペインのアンダルシアを舞台に、ロードレースの1日をアニメ化すると聞いて驚いて銀座の劇場に見に行ったのを思い出した。男が苦々しく思っている故郷で行われるレースのため久しぶりに帰省したペペ。地味なアシストの役回りに徹するはずが、自分が勝つしかなくなる展開、最期のゴール前の攻防に熱くなる。大好きなアニメ映画です。47分で見終わるので未見の方には是非見てもらいたいです!
私は上映後、何年も経ってから視聴したんだけど、今見ても古くないし、ロードバイクの知識がなくても楽しめたよ。どんなに崖っぷちでもプロとして仕事をこなすペペに終盤は「頑張れ~!」と声だしちゃってた(笑)。ロードレースって凄いスポーツなんだね。
ゴールまでの47分間を体感!!
高坂希太郎が監督・脚本・キャラクターデザイン・作画監督を務め、第56回カンヌ国際映画祭の監督週間に日本アニメとして初めて出品された作品。声優は大泉洋、小池栄子、筧利夫等。マッドハウス制作、2003年公開。47分。英題:Nasu: Summer in Andalusia
原作 | 黒田硫黄 | 「セクシーボイス アンド ロボ」「茄子 スーツケースの渡り鳥」 |
監督・脚本 | 高坂希太郎 | 「若おかみは小学生!」「茄子 スーツケースの渡り鳥」 |
制作 | マッドハウス | 「オーバーロード」「ワンパンマン」「サマーウォーズ」 |
音楽 | 本多俊之 | 「茄子 スーツケースの渡り鳥」「メトロポリス」 |
あらすじ
主人公ぺぺはひたすら走っていた。照りつける熱い陽射しの中を、南スペインの乾いた道を。 “ブエルタ・ア・エスパーニャ”。“ツール・ド・フランス”と並ぶ「世界三大自転車レース」の一つ。勝利に恵まれず、レースの真っ只中、解雇を言い渡される。やがて生まれ育ったアンダルシアの村にさしかかる。そこでは、兄アンヘルと、かつての恋人カルメンの結婚式が行われていた。幼い頃、兄と取り合った1台の自転車。そして奪い合った恋人…忘れたい恋、忘れたい戦い、忘れたい土地から、遠くへ行きたい。ゴールへ近づくぺぺの心に様々な思いがよぎる。突然、ネグロという黒いネコが道に飛び出した。予想を裏切り、レースは思わぬ方向へ進んだ。果たしてぺぺに輝きの瞬間は訪れるのだろうか。(関連サイトから引用)
原作漫画
講談社『月刊アフタヌーン』で2000年~2002年に連載された黒田硫黄の短編集「茄子」の一編が原作。
登場人物
- ペペ・ベネンヘリ(大泉洋)
スペインのアンダルシア州出身のロードレーサー。パオパオビール所属。エースへのボトル運びや他チームをかく乱するための囮のアタックなど、アシストがチーム内での主な仕事。スポンサーの覚えが悪く、リストラ寸前。
- カルメン・パスカルドミンゲス(小池栄子)
ペペの兄アンヘルの新妻。レース当日がアンヘルとの結婚式だった。もともとはぺぺの恋人だったが、ぺぺが兵役に出ている間にアンヘルの恋人となった。
- アンヘル・ベネンヘリ(筧利夫)
ペペの兄。以前は多数のタイトルを獲得したアマチュアのロードレース選手。軍役中に軍のロードバイクチームに挑戦するが、プロを諦める。
- エルナンデス(平野稔)
バルを営む初老の男。アンダルシアの事を愛しているので、ペペが地元を捨てたと批難するが、本当は応援している。
- リベラおじさん(岡田吉弘)
アンヘル・ぺぺ兄弟の叔父。アンヘルとペペがロードバイクを始めるきっかけをつくった。車椅子。
- フランキー(平田広明)
ぺぺの友達。何も無いアンダルシアを出ていきたいとずっと思っているが、故郷で生活し母親の面倒をみている。海外で活躍するプロレーサーのぺぺに自分の夢を重ねて応援する。
- 監督(坂口芳貞)
パオパオビールの監督。指示を出し、一人になってしまったペペを励ます。
- ギルモア(佐藤祐四)
チーム・パオパオビールのエース選手。ロードレースの場合、チーム内で選手ごとに役割が決まっており、スプリント力のある選手にゴール前まで力を保てるようチーム内の他選手がアシストをする。
- サルバトーレ・チョッチ(田中正彦)
チーム・サイコ所属のサイクルロードレース選手。ゴール前でのスプリント能力に長けており、ゴール前で同じポジションだとギルモアやペペだと敵わない。ゴール前までに振るい落す必要がある選手。
- ザメンホフ(佐々木誠二)
チーム・パメイレンガ所属のサイクルロードレース選手。レースでの駆け引きが得意。
- ベザル(西凛太朗)
チーム・Pフォン所属のサイクルロードレース選手。スプリンターで、チーム・Pフォンのエース。チーム力が高く、後方グループにいるものの必ずゴール前には迫ってくるであろう要注意な選手。
主題歌
もともとは小林旭の「自動車ショー歌」を忌野清志郎が「自転車ショーの歌」として自転車版にした替え歌。ロードバイクのメーカー名や用語を盛り込まれている。生前ロードバイクを愛した忌野清志郎のお茶目な曲に仕上がっている。
視聴者の声
サブスクで「アンダルシアの夏」を見た。
— イノウエッチ (@inouecchi1977) October 5, 2022
40代より上の世代が納得できる自転車のアニメってこれしかないのでは。表情までとても愉しめた。
2003年の映画でほぼ20年前だけど、主人公のぺぺ役は大泉洋なんだね。レース実況アナウンサーが羽鳥慎一?!解説が市川雅敏ってところニンマリしてしまった。 pic.twitter.com/y2A9M2vtdB
う~ん、エアロバイクを漕ぎながらだと、
— コウタニ (@tanikou0425) October 6, 2022
『茄子 アンダルシアの夏』と『茄子 スーツケースの渡り鳥』が短くてオススメです!!
両方とも1時間以内です。(笑)
ペダルに力が入り過ぎるかもしれませんが・・・
集団から逃げて逃げて200km以上走って、フィニッシュ手前で後方集団に呑まれそうになったライダーが、最後まで諦めずに駆けてコンマ秒差で勝つっていう、アニメの茄子アンダルシアの夏みたいなレースだったジロ・デ・イタリア第18ステージ pic.twitter.com/hfOp1tlOpd
— Alley Cat (ΦωΦ*) (@alleycat_556) May 30, 2019
茄子~アンダルシアの夏の背景は、雲一つない青空が印象的。背景の空に必ずしも雲を描かなきゃいけないわけではないし、時と場合によっては雲を描いてはいけない例。(実際のスペインのアンダルシア地方の空もこんな感じ) pic.twitter.com/hpGl0xQcLf
— 瀬尾🍣 (@Seo_t) July 28, 2020
ぺぺ/茄子アンダルシアの夏
— てんてこまいだ (@pro_yakisoba) June 28, 2020
兄弟間の葛藤や苦々しい恋、酸いも甘いも噛み分けた複雑で特別な地元での自転車レースに挑むぺぺ。しがらみを抱く思いとは裏腹に、故郷は暖かく救いに溢れています
45分の濃密な人生譚に、あーたまには地元帰らねばと思わされました pic.twitter.com/gEq2x1rG6l
視聴はコチラ
作品イメージ
関連情報
(C)2003「茄子 アンダルシアの夏」製作委員会
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