「火の鳥 復活編」ロボットの心を持った人間と、人間の心を持ったロボットの逃避行

3.5
アニメ「火の鳥 復活編」イメージ アニメ

「火の鳥」イメージ

長い間、多くの人々に愛され続けてきた手塚治虫の「火の鳥」には、わたしたちが深く考えるべき二つの大きなテーマが描かれています。 そのひとつは、「歴史」「宗教」「愛」「寿命」「生き様」といった人類に普遍的な「生」の問題です。もうひとつは、科学や文明の発達にともない提起され始めた、「環境」「遺伝子操作」「クローン技術」「ロボットと人間の関わり」という、わたしたち現代人が今まさに直面している、新しい問題なのです。50年も前に描き始められた作品にもかかわらず、「火の鳥」は21世紀を生きるわたしたちにとっても「人間とは、生命とは何か」を問い続けている物語です。

「火の鳥 復活編」作品紹介

2004年にNHKで放送された手塚治虫原作「火の鳥」のアニメ作品。

原作手塚治虫ブラック・ジャック」「どろろ」「メトロポリス」「安達が原
脚本長谷川圭一
演出吉村文宏「五等分の花嫁」「安達としまむら」「どろろ
演出萩原露光

「火の鳥 復活編」あらすじ

25世紀の地球は環境悪化に苛まれていた。青年レオナは地球を再生する構想「フェニックス計画」研究施設の爆発事故に巻き込まれたが、人工頭脳を埋め込む手術で一命を取りとめる。しかし、事故以前の記憶を失くすとともに、人間を人間として認識できなくなってしまう。人間がガラクタにしか見えないレオナは、廃棄物処理場で旧型ロボットのチヒロと出会う。レオナにはロボットのチヒロが人間の女性に見え、恋に落ちる。


「火の鳥 復活編」原作情報

「火の鳥 復活編」は1970年-1971年にかけて「COM」で連載された。単行本7巻-8巻が該当するが、原作とアニメ版では内容は大きく異なる。

登場人物

  • レオナ(佐々木望
    猿田彦博士の地球を再生するという構想「フェニックス計画」に参加した研究員。火の鳥の生物データを解析中に起こった施設の爆発事故に巻き込まれ記憶を失う。人口頭脳化する手術の影響で人間が鉄クズに見え、廃棄寸前のロボット・チヒロだけが人間に見える不完全な状態になってしまう。廃棄から救うためチヒロを連れて施設から逃げ出す。導かれるように事故が起こった研究施設にやって来る。志半ばで研究を諦めさせられ自殺した父親の仇をとるため研究を進めていた。
TVアニメ「火の鳥 復活編」レオナ(佐々木望)
©TEZUKA PRODUCTIONS・NHK・NEP

  • チヒロ(小林美佐
    既に製造が中止された廃棄予定のロボット。手術後のレオナには唯一人間に見える相手。亡くなったレイコと同じ顔をしている。解体処理場で出会ったレオナと行動を共にする。
TVアニメ「火の鳥 復活編」チヒロ(小林美佐)
©TEZUKA PRODUCTIONS・NHK・NEP

  • ランプ(広瀬正志)
    レオナの古い友人。レオナの記憶喪失を「永遠の命」の情報を独り占めするための詐称と決めつけ、レオナを執拗に追い続ける。
TVアニメ「火の鳥 復活編」ランプ(広瀬正志)
©TEZUKA PRODUCTIONS・NHK・NEP

  • ニールセン(小川真司)
    医師。レオナに手術を施し助ける。人口頭脳化の手術の影響でレオナが、人間の身体を持ちながらロボットの心を持ってしまったのではないかと考える。
TVアニメ「火の鳥 復活編」ニールセン(小川真司)
©TEZUKA PRODUCTIONS・NHK・NEP

  • レイコ(大坂史子)
    フェニックス計画の科学者の1人で、レオナの恋人。施設の爆発事故で亡くなる。レオナの最期の記憶ではレオナを「裏切者」と呼ぶ。
TVアニメ「火の鳥 復活編」レイコ(大坂史子)
©TEZUKA PRODUCTIONS・NHK・NEP

  • 猿田彦博士(小村哲生)
    世界的に高名な生物学者。滅びゆく地球を救うためのフェニックス計画を進める中心人物。

  • ロビタ(牛山茂)
    地球を捨て火星に移り住んで一世紀後、コロニーで少年の世話するロボット。
    実は、人間であることを辞め、ロボットとして生きていくことにしたレオナ自身。

  • 火の鳥(竹下景子)
    滅びゆく地球に火の鳥の生態研究のためやって来たレオナに運命を告げる。

  • ナレーション(久米明)

主題歌

エンディングテーマは、中島美嘉の「火の鳥」。

httpv://youtu.be/HDfPn-5hUvg

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