誘拐されて海の上で暮らす美少女と彼女を育てる中年男性、穏やかで平和な日々がやってきた1人の青年で少しずつ崩れ始める。その時、中年男が取った行動とは…?キム・ギドクが放つ少し歪んだ愛と性。ハン・ヨルム主演、2005年/88分。原題:활、英題:The Bow。
監督・脚本・編集 | キム・ギドク | 「人間の時間」「嘆きのピエタ」「サマリア」「うつせみ」 |
撮影 | チャン・ソンベク | 「うつせみ」 |
あらすじ
広い海に浮かぶ船の上、老人と少女は2人だけで穏やかに暮らしていた。10年前、どこからともなく連れてきた少女を、老人は慈しむように大切に育ててきた。少女が17歳になったら2人は結婚する予定だった。3ヵ月後に迫ったその日を、老人は心待ちにし、夢みてきた。老人は船を釣り人に開放し、生計を立てていた。老人が持ち歩く弓矢は、少女のために奏でる楽器にもなれば、客の中にいる不届き者から少女を守る武器ともなった。老人と少女の固い絆はいつまでも変わらないと思われた。ところがある日、少女が釣り客の青年に淡い恋心を抱いたことから、2人の穏やかな関係は大きく揺らぎ始める。
※以降はネタバレを含みますので、本編を視聴した後で読むことをおススメします。
登場人物
- 老人(チョン・ソンファン)
人里離れた島の古びた船で暮らし、釣り客を乗せる仕事をしている。弓を楽器の様に弾いたり、弓占いを行う。少女と結婚するために船で共同生活している。客が少女にちょっかいをかけると弓矢を射って近づかないよう脅す。変わっていく少女の様子に焦り結婚式を早めようとする。
- 少女(ハン・ヨルム)
16歳。6歳の頃から10年間、老人から社会と隔離され船で生活している。17歳になる日に老人と結婚することになっている。釣りにやって来た青年に一目惚れをする。青年と出会って以来、老人に反発するようになる。
- 青年(ソ・ジソク)
大学生。釣りにやって来る。少女の家族が捜索願を出していることを知り、少女を家族の元へ返すよう老人を説得する。
- 青年の父(チョン・ゴクファン)
息子を連れて船に泊りがけで釣りにやって来る。老人と少女の関係を息子に教える。
視聴者の声
#弓(2005)
— ヤオッチャン (@greenSWGP) December 22, 2022
コロナで亡くなったキム・ギドク監督。セクハラ等でも問題になり作品の評価も難しくなりました。
本作も海上の船で少女を育てて結婚しようとするジジイの気持ち悪い話でセリフもほとんどないのだが魅入ってしまう不思議。弓で攻撃や占い、音楽も奏でる変態ファンタジー。 pic.twitter.com/Y24Se6dQO0
弓
— aya (0165) (@ProdigyAyaKeith) May 29, 2022
老人と少女。いつも2人、海の上。邪魔する者には弓を射ち、愛するあなたには弓で曲を。お爺の純愛、少女の目覚め…
言葉は無くても伝わってくるその想いが美しいのよ。でも何だろう…心のザワザワが止まらん…!複雑な気持ちだけど多分また観るよ笑。ギドク監督やっぱり強烈!脳裏に焼きつく白と赤 pic.twitter.com/S9SsutNiNf
キム・ギドク『弓』。画面いっぱいに美しい欲望が満ち満ちていて、映像はまだまだ豊かで在れるのだということを教わる。非の打ち所がなく美しく胸が痛くなる。
— 池田 (@ky00hei) January 26, 2013
キム・ギドク『弓』 海に浮かぶ船の上で暮らす老人と少女。10年を経て少女17歳の誕生日に結婚を計画する老人。船上しか知らぬ少女の無垢と魔性、海釣り客の若者に恋をし、老人との愛が壊れてゆく…現実離れした設定、言葉の排除で際立つイメージ。幻想的美的な映像と音楽、神話的な世界観に酔う傑作 pic.twitter.com/wryGrqsRnY
— 魔の山 (@manoyama12) September 2, 2020
キム・ギドク『弓』 #映画
— サリエリコ (@A_SalieriCo) June 26, 2017
これが、変態ギドクなのか!と、得心がいきました。少女は表情に乏しく、物足りない気もしたんだけど、役作りと言われたら、納得もいくような、いかないような… ギドクこれで2本目だけど、たぶんわたしは好きではない。でも、惹かれるものが確かにある。
キム•ギドクの『弓』DVDで再見。変態純愛映画の傑作。ラストはやはり泣きそうに。想いと奇跡の描き方が凄すぎる。
— 豊島圭介 (@toyoshima1113) May 9, 2013
作品イメージ
視聴はコチラ
©
コメント